ReBornプロジェクト「創造性の出臍」
<2021/1/26>
今回は、弊協会の創造性に関する基本的考え方、これを『創造性の出臍』と名付けておりますが、これについて説明させていただきます。
考え方については、倉林 敏『創造の方法』の以下ページをご参照ください。
http://kurabyashibin.net/debeso/
1.狙い
私たちは、「創造性」について、ビジネス面における創造性を問題にしており、いわばその枠組みともいえるものを『創造性の出臍』と名付けています。
その狙いは、
(1)天才的、芸術的創造性よりは、むしろビジネスにおいて有効な創造性を狙う。
(2)そもそも創造性とは、従来にない全く新しいものを目指すのではなく、従来にあるものを改善、あるいはアイディアの付加などにより新しい価値創造を目指す、
というものです。
ビジネスにおいては、資源(人、モノ、金、情報など)は有限であり、いかに効率的にその資源を使い、新しい価値が生み出されるかが問題となります。
この観点からすれば、全く誰も理解できない画期的アイディアを開発しても、意味はなく、また、新しいモノを創造する努力も、“新しい”にとらわれすぎて無駄な時間や労力を使うことは出来ない、ことに由来します。
2.「創造性の出臍」とは何か?
そもそも、創造性は人を感動させるところに意味がある。特にビジネスにおいては、ブランディング面など、感動抜きには語ることが出来ません。
しかし、人は自分の知っていることについては理解できるが、その範疇を超えて知らないことは、理解出来ない。感動することもない。
また、人は自分の知っていることを言われても、「そのことはとっくに知っている」と感動には全く結びつかない。
ゴッホの例で説明しましょう。
生涯において1枚しか絵が売れなかったゴッホ。(売れなかったのではなく、画商である弟テオが、小出しにして売らないという戦略をもっていた・・・という説もあります)
当時、ゴッホの絵は、特に専門家筋からは、“稚拙な絵”と思われていた。
また、人々は、上手いか、下手か良くわからなかったため、話題にならなかったとも言われています。
今でこそ、日本人に圧倒的な人気を誇る「ローヌ川の星降る夜」。この絵は、黄色と青というほとんど補色関係の色を同等のバランスで扱い、当時高価であったブルー絵具を厚塗し、
果たして、うまいのか、下手なのか?全く理解できなかった。
ゴッホの絵が売れるようになったのは、ゴッホ、テオが死に、テオの妻ヨーによる大々的プロモーション(特に、ゴッホがテオにあてた膨大な手紙資料の公開)により、絵が売れるようになってきたといわれています。
私は、この手紙の中で特に注目しているのが、「星降る夜」についての説明です。~今絶対に描きたいのは星空で、夜は昼よりずっと色彩豊かだ・・・~という記述です。
この言葉は、この絵を理解する上の糸口になっています。この記述により、私たちは、始めてゴッホの意図を理解し、それによって絵自体の価値を見出すことになります。
つまり、私たちの“知っている”範疇に絵がつながったことで理解することができ、感動につながったのではないかと思っております。
『創造性の出臍』
これは、私たちの“知っている”範疇に接していながら、出臍のように飛び出している状態、
決して“知っている範疇”の中には入ってこない状態ではあるが、接点をもって外に飛び出している状態、これを私は『創造性の出臍』と命名しました。
これが、実は『感動』のもとなのです。
そして、ビジネスにおいては、これが「創造性」であり、ビジネスのあらゆる側面において必要なものとなります。
商品開発では、従来からあるジャンルだが、何か新しい機能がついて、あるいは、新しい部品の組み合わせにより、従来とは違うものになる・・・
プレゼンテーションでは、判っていたつもりが、違う切り口であったり、新しい何かが付加されたために、実に新鮮な驚きに代わる・・・
会議では、参加者の想いを超えた発言により、新しい提案として、感動をもって受けいれられる・・・
このように『創造性の出臍』は、ビジネスにおいて多岐に使われるテクニックとして、私たちが身に着けていくべきものと考えております。
これを考えるには、過去の事象の分析や人々の思考についての分析などが重要となってくるでしょう。
今日は、ReBornを支える創造性について考えてみました。
本日もお付き合いいただき、ありがとうございました。
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