■一般的廃業
「赤字が3期以上続いている」、「人手不足で事業推進が困難」、「後継者が見つからない」、「経営者が高年齢になった」などが、一般的な廃業理由で挙げられています。このような場合には、法律にのっとった「廃業」手続きが必要です。これは起業するにしても、何かといろいろな手順があるのと同じように、廃業手順もなかなか複雑で時間や費用もそれなりにかかるので、注意が必要です。
■ 倒産回避廃業
一方、一番多いのが、「倒産」とのセット「廃業」です。この場合には、倒産してしまったら、事業継続がほとんど難しいため、何とか、倒産前に「廃業手続き」に着手しなければなりません。ここでいう「廃業手続き」とは、以下の図にあるように、むしろ「廃業しない」手続きのことをいいます。
この手続きを倒産前に行えば、「倒産」という事態も避けることが出来る可能性も高いのです。
従って、本廃業塾の真の狙いは、「廃業回避塾」なのです。
廃業を決断する前に検討することがいろいろあります。
倒産・廃業を決意するのは、いつでも出来ます。しかし、倒産・廃業は、何もかも失う事態です。確かに多額の負債から解放され、楽になることはなれますが、その代わり失うものも多いのです。アメリカでは、倒産のネガティブイメージは低くむしろ勲章のように思われている部分もありますが、日本においては、まだまだイメージも悪く、信用回復には時間がかかり、再起というのも並大抵ではありません。だから、出来るならば、倒産・廃業の事態を避けるよう努力することをお勧めいたします。
以下のようないろいろな”道”があります。
1.事業存続
一番良いのは、現状事業が存続することです。そのため、一体何をしなければならないか?状態としては、そもそも良い状態ではないため、傷の大きさとのトレードオフで決められるでしょう。
2.事業売却
これは、知り合いを中心に、あなたの会社の事業の価値を認めてくれる方に事業そのものを買い取ってもらう方法です。負債の扱いについては、話し合いとなります。
3.M&A
Mergers(合併)and Acquistions(買収)のことで、ある会社に買われたり(買収)、2つ以上の会社が一つになったり(合併)することです。これに「提携」までも含める場合もあります。これは譲渡起業、譲受け企業双方にメリットがあるもので、譲渡企業からすれば、金銭的にも廃業よりはよほどのメリットがあります。
ただ、譲受け企業を探し、条件が合うかどうかがポイントとなります。
4.分社化
複数事業を行っている場合、好調事業だけを、別の新会社に移し、この事業を成長させていく戦略です。旧会社については、新会社が好調に推移すれば、旧会社の資産を移動することも可能となり、うまくいけば、旧会社の存続も可能となります。
5.転業
会社の資源を、別の用途に転用することです。分かりやすい例としては、喫茶店をドラッグストアにしたり、工場をスポーツスタジオにするようなことです。
6.多角化
会社の技術などの新用途開発をし、従来事業の隣に新しい事業を創造し、従来事業との相乗効果により従来事業の再生と拡大を図るものです。
7.起業
従来事業での負債を肩代わりする狙いで新規事業を起こします。ただ、この新規事業を従来企業の中でやるとなると、様々な障害があるため、”起業”という形で新しい会社を作ります。こうすれば、新会社は、地方自治体などの創業融資や創業投資などを受けられる可能性もでてきます。
以上簡単にいくつか述べてきましたが、アイディアにより、また別の方法もみつけることが出来るかもしれません、要は諦めず、粘り強く対処する精神力が大切となります。
この手順は、公式の普遍的方法があるわけではなく、個別事情が最優先します。その個別事情のなかから、最適な方法を考えるという、まさに経験とクリエイティブな感覚が必要とされます。PROSOCは、この部分で皆さまのお力になれると思います。ぜひPROSOCの9つの戦略でサポートいたします。
一般的廃業手順
会社を自主的に廃業するには、会社を解散した後、清算手続きを行う必要があります。ここでは、簡単に一般的廃業の手順について、その項目を列挙しておきます。
1. 解散の準備
2. 株主総会での解散決議
3. 清算人の選任
4. 解散・清算人選任登記(※解散日から2週間以内)
5. 解散の届出
6. 社会保険関係の手続き
7. 解散公告
8. 解散時の決算書類の作成
9. 解散確定申告(※解散日から2か月以内)
10. 債権回収、債務弁済など
11. 残余財産の確定・分配
12. 決算報告書の作成・承認
13. 清算結了登記(※決算報告書承認後2週間以内)
14. 清算確定申告(残余財産確定日から1か月以内)
15. 清算結了届